旅の本   

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最新号の『考える人』が紀行文学を特集している。
思わず買ってしまう。
雑誌にしてはそれなりの値段だが、単行本を買う感覚か。
この季刊雑誌はユニクロと新潮社が提携して出しているという。
なかなか魅力ある執筆陣が揃っていて、内容も面白そうだ。
まだぱらぱら読みしただけだ。

雑誌には世界の紀行文学がごまんと紹介されていて、
未読の名著も含まれている。読みそびれている。
いつか手に取りたい本も数多ある。

そうしたなか、紀行文学や紀行文もその記録の年代はそれぞれで、
古いものだと、池澤夏樹氏が語っているように、
ヘロドトスという紀元前5世紀の人物が書いたものから、
最近のものまでさまざまだ。

ちょうど今、北杜夫さんの『南太平洋ひるね旅』を読んでいる。
もう何度も読み返していると思う。特別好きというのではないんだけど。
この旅行記は1961年の南太平洋の旅を書いている。
今から50年前の話である。

当時の南太平洋の諸島、
タヒチ、サモア、フィジーなどに観光に出かける日本人は少なかった。
この50年前という時間がなかなか面白い。

伴野商会という商社が日本と南太平洋諸島との輸出入業を行っていて、
どこの島へ行っても「ばんの」の名前は知れ渡っていたそうだ。
北杜夫氏もこの会社の世話になっている。
この会社はその後、経営が悪化して消滅してしまったようだ。
またニューカレドニアのヌーメアでは筒井さんという人物が登場する。
後に日本総領事になったジョージ筒井氏だ。
南太平洋の島々へは、戦前から多くの日本人が移住移民していたことが分かる。

本ではいろいろと面白い発見がある。
たとえばフィジー言葉で「クアナ・タナ」は「アイ・ラブ・ユー」という意味だが、
文字をそのまま訳すと「あなたを食べない」ということだそうだ。
食人文化の痕跡だという。

タヒチでは、ハイビスカスの花を耳にはさむが、
男性も飾るそうで、左の耳なら独身者で、右なら既婚者。
こうした習慣は今も残っているのだろうか。

有名な『天国にいちばん近い島』(森村桂著)が出たのが1966年。
これも以前読んだ記憶があるが、すっかり忘れてしまっているし、手許に本がない。

寒いとなぜか暖かい地域の本が読みたくなる。
実に単純な人間であるな、わしは。
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by kazeyashiki | 2011-01-23 13:13 | 世界 | Comments(1)

Commented by 森のばっちん at 2016-04-20 20:01 x
私も、十何年か振りに 南太平洋ひるねたび を読んでいます

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