2011年 05月 17日
田植え・動画
佐々木さんの田植えの様子を貼りつけます。
何となく田植えというのは分かっているつもりでしたが、
実際に関わってみると、いくつもの発見がありました。
まず、種まきをして育苗した青苗が、病気にもならずに育ったこと、
それらを軽トラに載せて田んぼまで運んで来ること、
トラックで運搬された田植機を圃場に降ろし、
苗箱から大きなコテで取り出し、田植機の台に運ぶこと、
そして田植機の運転者と助手が田植機のレーンにそれらを設置すること、
以上の行程をおこなってはじめて田植機を稼働させることができます。
スムーズに田んぼの中を進む田植機ですが、
そのためには田んぼ自体が「均平」でなければなりません。
つまり田植えをする前に、
「代掻き」という、トラクタのロータリによる作業があるのです。
田んぼ表面を平坦にし、同時に土壌に空気を入れておく作業です。
もし田んぼが平坦でないと、田植機はきちんと苗を植えることができません。
震災・津波に遭った田んぼには、塩水や多くの瓦礫が入り込んでいます。
塩水では苗が枯れるし、瓦礫があると田植機が稼働できません。
稲作の田んぼは、非常にデリケートに耕され、手をかけられた土の場なのです。
そして「水」。
用水路が震災によって損壊したところが多いので、
沿岸部の田んぼでは、
田んぼそのものより、周辺環境の整備からスタートしなければいけません。
用水路がなければ、何もできないのです。
そして田植え後は、毎日「水」の管理を丁寧にくりかえします。
よく台風の際に、
農家の方々が田んぼを見に行って流された……というニュースを聞きますが、
彼らは田んぼの「水」環境がどうなっているのか、気になって仕方がないから、
台風であっても、台風であるからこそ、田んぼに出掛けてしまうのです。
米は大切な子供、だと思います。
田植機を操作している佐々木さんは、事故で左手首を失われています。
しかし運転は非常に高度な技術で、農業機械会社勤務の頃は、常に模範運転者でした。
「真っ直ぐ進む」ということは、難しいのです。
最近は、畦にセンサーを設置して、赤外線による自動運転の田植機も登場していますが、
農家の方々の声としては、「何もそこまで……」というのが多いですね。
前置きが長くなってすみません。では、動画をご覧下さい。
BGMは数年前に吹田メイシアターで聞いたトニー・マクマナスです。
フィドルはAlasdair Fraser 、ギターがTony McManus
曲は5曲がセットになったもののようです。
The Sweetness of Mary / Devil In the Kitchen / Willie Davie / The Sound of Mull / The High Road to Linton
実際に使っているのは2曲だけでテンポが急変するのが2曲目のDevil In the Kitchenでしょうね。
アルバムはReturn to Kintail iTune Storeで買えます。