甲子園、夏。   

久々に甲子園に出掛けた。高校野球が熱闘中だ。
宮城の涌谷町で米づくりをされている農夫、
佐々木さんが地元古川工業高校の応援でやって来た。
彼の米づくりをおれは今年、追いかけている。
宮城県から12時間かけてバスでやって来られたのだ。

甲子園球場に行くのは実に久しぶりだ。
前に来たのは野球観戦ではなく、コンサートだったんではないか。
中学生の頃は、塩谷君とよく高校野球を見に来たものだったが……。

外野席は無料なので、21号口から入る。
誰もがいうけれど、狭くて薄暗い通路から、
広い緑の芝生敷きつめられた球場の空間に向かうのは、心躍る瞬間だ。
四角く仕切られた入口の向こうに青空がのぞき、
歩みを進めていくと広々としたグランドが広がっていく……
この瞬間に私達は感動する。
それはしっかりと整備された人工の美しさだ。

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アルプス席寄りの外野席中段に、二人のおっさんの姿。
佐々木さんとぷよねこさんだ。
すでに手許には生ビールのプラスチックカップがある。
午前10時。
野球場だから認められる愉楽のしるしだ。
もっとも高校野球だから、
周囲にはビールの似合わない若い人たちがいるのだが。
それでもビールを飲むのはおとなの特権である。

前の試合、福井商業が作新学院の猛攻の末に破れる。1−11。
福井にはいささかの思い入れがあるのは、母方の故郷のせいだ。
作新が強かったのでしょう。

やがて古川工業の選手達が練習をはじめる。
初出場だ。
宮城県の大崎平野にある県立高校だという。
涌谷町の佐々木さん宅からさほど離れていない地域にある。
東北や仙台育英などの常連強豪が敗退し、
決勝は利府という県立勢同士だった。

試合がはじまった。
だが、古工のエース山田は唐津商業の打者11人の猛攻に遭い、
初回で7点を失ってしまった。
う〜む、これはちょっと厳しいぞ。
だが、150キロ代の速球を投げる唐商の北方投手に対し、
4回に2点、5回に1点、7回にも1点を入れるが、届かず。

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そうした熱闘がくりひろげられているなか、
おっさん3人は、もちろんゲームは観ているのではあるが、
無駄話もそれなりに多くて、
ぷよねこ氏持参のビールやチューハイを流し込んでいた。
それも野球観戦のひとつの方法ではある。

結局4−9で古工は初戦敗退し、球児らがアルプス席前で頭を下げる。
それに応える応援団。2011年の夏が去っていく。

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12時間かけて、ふたたびバスに揺られて宮城に還る佐々木さん。
バス乗り場まで見送って、おれも阪神甲子園駅まで歩いて帰る。
球場では次の広島代表・如水館と初出場の岐阜代表・関商工の声援が響き、
日差しはますます強くなり、それでも浜風が時折通り抜けていく。
たまに来る甲子園の夏はいいものだ。
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by kazeyashiki | 2011-08-08 18:06 | 暮らし | Comments(0)

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