2011年 12月 13日
12月13日
言うてる間に、「残すところあと僅か」に、なる。
今年は3月11日の午後までは、
これまで長く続いていたこの国の暮らし、生活様式、社会が動いていた。
だが、この日を境にして、以前と以後の社会の枠組みができた。
一度に多くの人々が亡くなったという事実の前で、
生死への思想、哲学が考えられた年でもあった。
そのわりには宗教的雰囲気が蔓延しない感じなのは、
宗教がパブリシティではなく、信仰が根幹であること証明しているからだ。
現地の人々と話してそのことを感じた。
宗教宗派を超えたものがそこにあった。
この大地震のことと平行する形で、日本社会も時計を前に進めた。
そうしたなかにさまざまな人たちが登場して、
われわれに印象を残して、去っていく。
内閣の長であった人、
地震報道のフロントに立って説明していた担当報道官、
失言した大臣たちなどの政府関係の人々。
一時代を築いて活躍し、向こうの世界に去っていった人も多かった。
それぞれ好みの作家や、俳優や歌手を思い出す方もいるだろう。
肉親や友人知人を送った方も。
そんなふうにして年が過ぎていく。
われわれは生きていくために日々、何事かをする。
自分にあてると、齷齪(あくせく)しているのが現状だ。
うまくいくことなんてそんなにあるわけじゃない。
うまくいかないことの方が多い。
そのことに卑屈になるなと言い聞かせながら、暦を重ねる。
そして年を取っていく。普遍の原理、万人の摂理である。
そこからしか始まらないなにかを両手で受けとめて、
立ち止まらずに前を見ていこう。
きっと頭の上には青空が広がっている。