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冬至、ゆず湯、湯豆腐

今日が冬至であることをすっかり失念していた。
朝、あるひとからのメールで、それが今日だと知った。
嬉しくなる。
なぜなら、冬至の日の風呂屋では「ゆず湯」になるからだ。
仕事終わりで、あの鯉のぼりのような暖簾をくぐれるかどうか、
それは分からない。
だけど、楽しみではないか、と家を出た。

仕事は遅くならず、あっさり解放された。
歩いて帰ろう。
途中に風呂屋があれば飛び込める。

梅田茶屋町から中崎町を抜けて天神橋商店街へ。
このあたり、いくつもの風呂屋がある。
「ゆず湯」の看板は、たちどころに見つけた。

いつもザックには2枚タオルを入れている。
1枚は湯用、1枚は湯上がり用、わりとこまめに小賢しい。
410円の湯楽。この値段、たばこの値段と同じだ。

ゆずの香りほのかに漂う脱衣場から、湯気いっぱいの湯殿へ。
いうまでもないことだが、気持ちいい。
なんどもこれまで湯に入り、気持ちいいと感じてきたが、
過去の経験よりも、やはりいま現在が優先されるに決まっている。
なんて現世利益な人間だろう。

温さが抜けないようにして歩いて、家に帰る。
夕食は湯豆腐だ。
小鍋仕立ての湯豆腐に、細く刻んだ大根を入れると途端に豆腐がうまくなる、
とは、池波正太郎の教えだ。
だが、その先は違う。
池波先生は、鍋の中に入れた壺の附け醤油へ、
二、三滴の胡麻油を垂らすという。
それもなかなか佳かろう。
しかしやはりここは「旭ポンズ」でいくのが浪華人である。
そして七味を軽く。
当然呑みたくなるが、原稿仕事がある。ガマンして燗酒一合だけ。

そしていま、午前1時。
やはりというべきか、案の定なのか、原稿はまだ書き上がらない。
今夜はもう寝るか。
by kazeyashiki | 2011-12-23 01:00 | 暮らし | Comments(0)

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