ある冬の日   

うす曇りの冬の日
よわよわしい光がこの惑星の地表をてらしているが
少女がこまったときにするような表情で
光がひろがったりしぼんだりする
空のどこかに青がないかと無心する
目にはいってくる色彩
あきらめたように風にゆられる黄葉たち
常緑であることに何のうたがいも持たない木々
かたちのない雲が一面に張りついている
乳色や樺色とどこかで耳にした色のなまえをおもいだす
歩きながら
駆けていくひとどこかへ急ぐひと
たれも立ち止まって風景をながめてはいない
こんなさむい午後だから
風もつめたいし
太陽が顔をのぞかせることもないようだし
ベンチにだってひとりもすわらない
そんな冬の日だから
”木の葉は枯れて空はなまり色
そんな日に散歩なんて”
という歌を口ずさんでみる
だけどどこか暖かな土地を夢見ることはない
それより一杯の珈琲がほしい
カフェではなく
湯気たちのぼるカップの熱い珈琲
さえあればそれでいい
寒風にさからって飛ぶ鳥たちを見上げながら
ゆっくりのみたい
鳥たちの小さなその眸はきっと
わたしが手にしたカップの湯気を見るだろう
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by kazeyashiki | 2011-12-24 11:00 | 素描 | Comments(0)

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