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おかしな夢

 標高600mくらいのところにある小さな神社を調査するため山路を歩いている。長らく人の手が入っていない社と聞いていたが、石段下まで来て見上げると、鳥居も掃き清められた石段の上に建つ社も光を浴びてキラキラ輝き、その中を幾人もの神職者や作業服を着た地元の者達が行き来している。「これは……調査の必要はありませんかも」と同行者が言う。


 すると別の者が地図を広げ、「この近くに白い建物の、神社とも寺院とも呼べない原初的な遺構があるなぁ」と言う。地図に描かれているのは、井戸を示す印である。ともかく向おうと歩き出した。


 途中、顎の尖がったやくざな男が塩っぱい声で「あすこへ行くには儂に支払うもん支払え」と喧しかったが、白紐で囲われた区域から外へ出てくることはないので我々の行く手を阻むことはなく、通り抜けることができた。


 やがて遺構が見えてきた。たしかに井戸のように見えるが、遺構とは思えないほどの純白さで、底を覗き込んだ者によると「鏡のように磨かれた水面が見えました」などと言う。調査隊は役目の終了を感じ、退散することになった。


 私は、木造二階建ての軒並みが続く古びた商店街を物見遊山しながら歩いていたが、見慣れた建物が視界に入ってきた。露天風呂や薬湯、電気風呂などの派手な看板を掲げた風呂屋で、その裏手に私は間借りして住んでいる。一旦部屋に戻るか、そのまま湯に浸かるか一瞬迷い、立ち止まっている時に目がさめた。


 別段、何ということもない夢だが、寝覚めはそこそこ爽快だった。


by kazeyashiki | 2017-02-25 16:59 | 素描 | Comments(0)

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