夏越の祓   

大阪にもう長く住んでいるが、6月30日は水無月を食べないとイカンという気になり京都へ。水無月とは、白ういろうの上に甘い小豆を載せた三角の和菓子である。夏越の祓、年の残り半分の無病息災を願うために食べる古都の風習である。


初めて食べたのは下京の親類宅で、自分はまだ小学生だった。ういろうは何度か口にしていたが、小豆が載ったものは初めてで、しかも病気にならないおまじないが食べることに含まれていると大人たちから言われたことで、なにか仏教的な(親類宅は熱心な真宗だった)印象がガキながらあった。


18歳から京都に住み始めて放埓な生活をしていたから、この風習に遭遇することはなかったが、何度か転居して地域との付き合いができるようになると、近所の人がお裾分けしてくれて、水無月に再会した。


この季節の食文化がいつから京都にあるのか知らないが、三角形に切るのは氷のかたちに似せたからだと聞いた。夏の暑さが本格化するこの時季、氷室から氷を切り出し口にするという宮中の行事が由来らしい。氷は庶民には手に入らない高価なものだったから、ういろうで代用したということなんだろう。


京都で氷室といえば、京見峠の先に地名がある。あそこから氷を切り出して御所まで運んだのだろうか。あるいはほかにも氷室はあるのだろう。高槻市に住んでいた地名も氷室だった。西国街道の巡礼橋の近く、継体天皇陵の近くののんびりとした地域だった。


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by kazeyashiki | 2017-07-01 19:43 | 京都 | Comments(2)

Commented by kichio at 2017-07-03 03:45 x
水無月、美味しいですよね。
私事、少しばかり茶(裏千家)を嗜みますが、この時期のお茶席にも主菓子として使います。風炉とギヤマン水差との取り合わせが涼を呼びます。
Commented by kazeyashiki at 2017-07-03 09:58
kichioさま
風流ですねえ、夏のお茶席。私はさっぱり茶道が分かりませんが、ギヤマンは好きです。焼酎を飲むためではありません(笑)ギヤマンを手にしたときの感触、ふつうのガラスカップとは違いますよね。義山と書くそうで、オランダ語のdiamant=ジアマント由来の言葉だとか。林京子さんの小説にギヤマンモチーフの作品がありましたねえ。

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