2017年 07月 12日
物真似文化
以前は田中角栄の物真似をする芸人や芸達者な音楽家がいたけど、今、安倍さんの真似をする者は見かけない。真似しづらいんだろうか。と思っていたら、斎藤美奈子さんが新聞で、文字による安倍首相の語り口を書いていた。
政治家に対する諷刺は本来わが国では少ないようで、国民性として好まれないのかもしれない。
だが、物真似文化は歴史的に豊かな国であるのだ。古くは天武天皇時代の伎楽などは一種の物真似芸であるし、狂言や歌舞伎、浪曲などにも物真似が多く含まれている。
現代でも多くの物真似芸人がいて面白い。人間どころか、鳥獣や草木、道具音まで真似る芸もある。あまり欧米諸国ではないように思う。
真似る=学ぶなんてことをいうが、技術は「見て真似る・見て学ぶ」ということなんだろう。政治家の真似は生々しいから…と敬遠する日本人気質。何となく納得できる。角栄さんの物真似も、氏のあの声と雰囲気にある種の共感があっての物真似だった気がする。
こうした穏やかな気質の日本の精神文化はいいなぁと思う。最近、どこかトゲトゲしさが漂う社会に違和感がある。おそらく自分は平和ボケなんだろうなあ。