1977年の夏の終わり、
一乗寺の狭くて暑い下宿屋で繰り返し聴いていたのがこのニール・ヤングのZUMAだ。
ぼくはその夏のはじめからずっと、
金沢の辰巳という犀川の上流にある元ミシン工場で舞踏公演の手伝いをしていた。
舞台のことなど何も知らないのに,
一ヶ月間そこに居候できたのは公演主宰者のY氏の度量だった。
3日間の公演が終わり、
京都行の普通列車に乗りながらぼくは何をして遊ぼうかと考えていた。
だが、面白そうな遊びは浮かばなかった。
狭い部屋に閉じこもって二ール・ヤングばかり聴いていた。
すこし秋めいてきたとき部屋を飛び出した。
ZUMAとはその夏に別れたっきりだった。
で、昨日ひょっこり目の前に現れた。
曲も曲順も自分でも驚くほどよく憶えている。
弾き間違えもなんのそののアルバムだ。