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44年前     

今から44年前の今日、三島由紀夫さんが自決した。
このニュースをぼくは、中学校から帰って来た昼間のテレビで知った。
調べてみると、水曜日だった。
昼間に帰宅したのはなぜか、と考えてみたら、
おそらく試験時期で、学校が昼までで終わったからだろう。
居間で亡き母が昼食を作りながら、
「大変なことが起こっているよ」と告げた。
画面のなかでアナウンサーがいろいろと解説し、
自衛隊の建物の様子が映し出されていた。

ぼくはショックを受けた。
なぜならちょうどその頃、三島さんの本を読み始めていたからだ。
『仮面の告白』であることが日記帳に記されている。
当時14歳…ませたガキである。
その前に『潮騒』と『花ざかりの森』を読んでいた。
どの程度読み込めていたかは分からない。
だけど三島文体に魅せられていたことはたしかで、
興奮気味に日記帳に読書感想文を書いている。

ぼくは三島由紀夫の思想的な側面に関してはよく分からない。
思想であるのか美学であるのか、エロスとの関わりであるのか、
その後、さまざまな人の書いたものを読んだが納得できていない。
しかしその後読み進めた三島文学の作品群に、
小説家としての、戯曲家としての、俳優としての、
そして一人の昭和の男としての姿を、自分なりに解釈して来た。
その結果、思ったことは単純なことである。
もっと生き延びてほしかった…ということである。
1970年以降の日本、やがて来る狂乱のバブル期から、
阪神淡路大震災、アメリカ911、そして東日本大震災…
三島さんはどのように語るのかを聞きかった。
実に身勝手で、幼い思いであることは承知の上で。

三島さんが亡くなったのは45歳。
大正14年(1925)生まれであるから、
まさに昭和と一緒に生きて来た人物だ。
同年生まれには、梅原猛、田中小実昌、大滝秀治、桂米朝、
ポール・ニューマン、ロバート・アルトマンなどがいる。

最近、三島さんの本を読み返すことは少ないが、
久しぶりに読みたくなった。
何度も読んだ『近代能楽集』か『午後の曳航』、
豊中の岡町が舞台の『愛の渇き』も懐かしい。
『絹と明察』もいい。

三島由紀夫が思ったことと感じたこと、
氏が見た昭和の時代の日本から何か得ることがあるような気がする。

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by kazeyashiki | 2014-11-25 11:15 | 世界 | Comments(0)