アフガニスタン情勢   

CNNのよると、オバマ大統領は米軍海兵隊員1000人以上をアフガンに増派すると決定した。南部の治安活動で数ヶ月の駐留だというが、現在米兵はアフガンに10万人弱が駐留している。「冬の間タリバーンに圧力をかけ続け、これまでに達成した治安向上を生かしていく狙いだ」と政権の高官は語っている。

昨年暮れに亡くなったオバマ政権のアフガニスタン・パキスタン担当特別代表のリチャード・ホルブルック氏のことを考える。ブルドーザーと渾名された強権的な人物だが、最期に発した言葉は「アフガンの戦争を終わらせなければならないんだ」だったという。強気で傲慢ともいえるホルブルック氏は、アフガンのカルザイ大統領との関係が悪かった。たしかに汚職・賄賂の閣僚がうごめくカルザイ政権という噂は、私が現地を訪れた2003年当時も言われていて、現地で活動するNPO法人のM氏も「政府の連中はヤクザですよ」と言っていた。教育支援のために動いていたこのNPOの記録映像を撮影しているなかで出会う政府関係者は、賄賂と優遇を無言の眼差しのもとに要求していた局面があった。だからと言って、ホルブルック氏に正義があるというのは早計だが、カルザイ政権の闇の部分を嫌悪したホルブルック氏の目は確かだっただろう。

ホルブルック氏がオバマ政権でどのような政策を推し進めていたのか、おそらく「オバマの戦争」といわれているこのアフガン対策をサポートしていたものであると思うが、昨年6月に”ローリング・ストーン”誌での舌禍問題で辞任したアフガニスタン駐留米軍マクリスタル司令官(国際治安支援部隊=ISAF総司令官)について、「能力が低すぎる」という評価をしていた。アメリカのメディアはこの一連の事態を、朝鮮戦争時のトルーマン大統領によるマッカーサー総司令官解任事件と比較して分析しているようだ。

オバマ政権は、リチャード・ホルブルック氏をなくしたことで更に大きな障害を抱えたことになる。そして今日の増派の報道だ。ホルブルック氏は、アルカイーダからタリバーンを分離できる、という意見を持っていた。そしてアフガン情勢の安定化の政策として、このように語っていた。「「今ワシントン(アメリカ政府)が採ることができる最もコスト対効果の高いアフガニスタン安定化政策は、過去に同様のケースで採られてきた政策に倣い、アフガンの農業セクターを生産性が高く利益が得られる輸出品目を作ることによって成長させることだ。過去の成功例に倣えば、アフガンは資金や雇用を得ることができ、それが国家の安定にも繋がる。」

アフガンにおける農業は技術も人も相当立ち遅れている。芥子栽培による収入という問題も解決の糸口が見えない。だが、農業から安定化をスタートさせようという政策は、最も賢明な手段ではないかと思う。

2011年、アフガニスタンの情勢はどのように動くのか、気になる。

by kazeyashiki | 2011-01-08 10:30 | 世界 | Comments(0)

<< 商売繁昌で 終日… >>